貨物利用運送業の開業方法
貨物利用運送事業とは、荷主と運送契約をかわし、自らは運送をおこなわずに運送事業者の運送を利用しておうこなう事業で、第一種貨物利用運送事業と第二種貨物利用運送事業に分けられます。
事業を始めるには利用運送業の登録又は許可が必要で、申請をしてから営業が開始出来るようになるまでには、2ヶ月~3ヶ月程かかりますので、その期間を見越して、計画を立てる必要があります。
また、一般(特定)貨物自動車運送業許可を取得されている事業者は、貨物利用運送事業法に基づく貨物利用運送業を申請することはできません。
ただし、一般(特定)貨物自動車運送の事業者は、事業計画変更認可申請をすることで、申請期間1か月程度で貨物利用運送業を行うことが出来ますので、ご安心下さい。
事業の種類 | 内容 |
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第一種貨物利用運送事業 | 実際に運ぶ運送業者がトラック運送、船舶、航空などのうち一種類のみを使用する事業のことを指します。 ※ほとんどがトラック運送です。 ※利用運送事業者との契約も可能です。 |
第二種貨物利用運送事業 | トラック以外にも船舶、飛行機、鉄道などの運送も復数組み合わせて、集荷・配送を行なわせる事業のことを指します。 |
実際のご依頼は、ほとんどが第一種貨物利用運送事業ですので、ここでは、第一種貨物利用運送事業のご説明を致します。
なお、許可要件は概ね①設備、②資金の2つで構成されています。
第一種貨物利用運送事業に必要な要件
① 第一種貨物利用運送事業の設備要件
事務所
◆ 使用権限があること。
賃貸の場合は賃貸借契約書、申請者所有の場合は土地建物の不動産登記事項証明書を用意します。
◆ 都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令に適合していること。
以下の地域では事務所を設置できませんので、ご注意下さい。
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※上記地域(市街化調整区域を除く)であっても、自宅住居と併設する場合は、認められるケースが多いです。
※第二種中高層住居専用地域では、床面積の制限はありますが、2階以下に設置する場合は、使用可能です。
◆ 適切な規模の営業所であること。
従業員が支障なく使用できるスペースの確保すればよく、ドライバー、運行管理者等人員の確保は必要ありません。
※保管施設を要する場合は、当該保管施設につき上記と同様の要件を充足することが必要です。
② 第一種貨物利用運送事業の資金要件
資本金
◆ 純資産額300万円以上の自己資金を有していること。
【法人の場合】 自己資金の計算式として、直近の決算書を参考に算出します ○ 資本金+剰余金-欠損金=自己資金 |
【個人の場合】 ○ 申請直前の預金残高証明書=自己資金 |
法人の場合は、決算書から自己資金を算出しますので、足りない場合は、資本金の増資手続きが必要となります。増資のお手続きもご依頼頂けますのでご安心下さい。
※1期目の決算未到来の法人は、資本金のみで要件確認します。
③ 第一種貨物利用運送事業のその他要件
欠格事由
◆ 下記の欠格事由とされる事項に該当しないこと。
- 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 第1種貨物利用運送事業の登録又は第2種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
- 申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
- 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに上記の3点のいずれかに該当する者のあるもの
利用運送契約
◆ 実際に使用する運送業者との契約書を交わしておく必要があります。
※貨物自動車運送事業者、利用運送業登録がされている事業者等との運送契約が必要です