運送業は個人と法人どちらが良いか

運送業を開業しようとされる方が必ず悩むのが、個人と法人どちらが良いかについてだと思います。

実際に、当事務所へご相談される方も、ほとんどの方が悩まれています。

開業される方によって、状況や立場など色々違いがございますので、状況を詳しくお伺いするまでは、どちらが良いか一概に言えません。

まずは、個人と法人で、違いを知ることで、どちらが自分に向いているかの判断材料になると思いますので、以下にご説明いたします。

1.開業費用

個人事業の場合

個人事業で開業する場合は、法人のように設立登記費用が必要ありませんので、1円もかかりません。

税務署へ個人事業の開業届を提出すれば完了です。

また、開業後に住所移転や屋号変更しても登記手続きが不要なため、費用も手間もかかりません。

※後日、法人にする予定がある場合は、運送業許可を法人へ譲渡する認可手続きが発生しますので、その費用と手間がかかることがあります。

法人の場合

運送業を法人で行う場合は、最初に株式会社の設立手続きから初めて行きます。

設立には、約27万円前後の費用が必要になります。

また、設立完了までの期間が約3週間程度必要になりますので、スケジュール管理も大切です。

2.社会的信用度

個人事業の場合

個人事業では、通常、登記することはありませんので、取引先は法人のように謄本を見て判断材料とすることができません。

取引先は社長個人のスキルや実績をもとに取引するかどうかを判断するしかありません。

やはり、対外的には信用度という面では法人に劣ってしまいます。

法人の場合

法人は、設立から登記を行うため、登記事項証明書を取得すると法人の基本情報(資本金、役員など)を誰でも入手できます。

取引先としては、個人より法人の方が情報を取りやすいため、取引を始めやすいと言えます。

3.資金調達(融資)

この開業時の資金調達力については、法人、個人ともに差は無いように思います。

政府系金融機関である日本政策金融公庫では、無担保、無保証人で3000万円までの融資を受けることが可能です。

だれでも、簡単に3000万円借り入れできるかというと、そうではなく、説得力のある事業計画がプレゼンできるかどうかにかかってきます。

貸し出す側の立場に立てば、元金と利息が回収できるかどうかが全てですので、取引先の確保方法やシビアな収支計画、将来像などの的確な申告で左右されることとなります。

つまり、事業計画の内容によりますので、法人だから有利だとは決して言えませんし、個人事業でも、十分な融資を受けることは可能です。

4.事業税での優遇

法人でも個人でも税金は支払う義務がありますが、事業税については、個人の場合だけ290万円の控除があり、税率も3~5%程度ですので、法人より低く有利に設定されています。

ただし、運送業を営んで、売上から仕入原価を引いた所得金額が290万円より低いことは考えにくいので事業税がかからないようにすることは難しいでしょう。

5.接待交際費の上限

個人事業の場合

また、個人事業でのメリットとして、交際費に上限が無いので、接待費としての経費(飲食代等)は全て損金計上することができますので、節税につながります。

法人の場合

法人の場合は、資本金1億円以下の会社の場合800万円までしか経費として計上することは出来ません。

6.赤字金額の繰越年数の違い

個人事業の場合

赤字での決算だった場合、個人事業では、赤字金額を3年間繰り越しして所得から控除することができます。

法人の場合

法人の場合は、10年間も繰越可能となっており、節税対策としては法人の方が有利であると言えます。

運送業の開業すぐの事業者にとっては、有り難い制度です。

7.社長の所得は、経費になるか

個人事業の場合は、社長の所得は経費とすることはできません。

法人の場合は、社長といえど給与収入となりますので、従業員給与のように経費とすることが出来ます。

そのため、同じ売上で、同じ原価額であっても、法人は社長の給与を売上から差し引きくことができるので、支払う税金も安くなる可能性が高いといえます。

このように、節税という点では、法人の方が有利になります。

まとめ

個人事業、法人、それぞれに一長一短がありますが、売上が伸びず、発展しない状況が続くと法人の場合は、経費や税金面が重く足かせになってしまいます。

ただ、個人事業でも運営が軌道に乗って売上も上がってくると、法人の方が節税対策も取りやすいため、法人成りされるケースも多くございます。

当事務所では、個人事業から法人成りするプランも、法人を設立して運送業を始めるプランも数多く対応させて頂いておりますので、どうしたらいいかお悩みの方はお気軽にお問い合せください。


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